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The Dream is to any directions on the Current of the Clouds. 主に漫画、ライトノベルの感想などを更新、溢れるオタク思考が原動力です。



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[小説] 小説 君の名は。 著:新海誠

「小さなお社がある。そこにお供えするんやさ。その酒は、あんたたちの半分やからな」
 ――三葉の、半分。
 俺は手の中の瓶を見る。あいつが米を噛んで作ったという口嚙み酒。この体と米がムスビついて出来た酒。それを俺が奉納する。いがみ合っていた相手からのパスでゴールを決めてしまったような気恥ずかしさと妙な誇らしさを感じながら、俺は大樹に向かって歩いていった。

(小説 君の名は。 p91-92)


4041026229 小説 君の名は。 (角川文庫)
 新海 誠
 KADOKAWA/メディアファクトリー 2016-06-18

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7月7日の完成披露試写生中継が当たらなかったら、映画公開前にノベライズ読むぞーと決めてた本作。
基本的に、発表された媒体がその作品にとって第一であると考えるからあまりノベライズとかには手を出さない方なんだけど、今作の予告とか見てかなり期待度をあげられてしまい我慢できませんでした。


お年頃の少年少女の入れ替わりというキャッチーさがおいしいよね!

新海監督の作品を初めて見たのは「ほしのこえ」でした。
正直、アニメのキャラデザは可愛いとはあまり思えないから、ビジュアル面からの萌えとかはないんだけど、宇宙と地球という超遠距離恋愛(作中で美加子と昇は恋愛関係にあるわけではないが)とそれによって隔たっていく時間が切ない。
ほしのこえ [DVD]ほしのこえThe voices of a distant star (MF文庫ダ・ヴィンチ)ほしのこえ (アフタヌーンコミックス)

美加子が宇宙に行き、地球と距離をどんどん離していくなか、昇は普通の高校生として過ごしていく。が、美加子への気持ちは宙ぶらりんのまま残っていて――
そして何がすごいって、美加子の声優さんと音楽以外はすべて新海監督おひとり作られたということ。30分もないアニメだけど、これはには本当に驚いた覚えがある(最近昇の声まで担当されてたことを知ってもっと驚いた!)。そして、キャラデザはともかく、背景映像がとにかくすごい綺麗で!
でも、この作品の場合は、私はアニメのラストより、佐原ミズ氏によるコミカライズのラストが好きすぎるんですけれどね。時を経た二人の関係が明確に描かれているので。アニメの場合、精神的な描写が多くてかなりぼかされているというか……アニメは引き離されたままの二人だけど、漫画の方は二人の再会が予期できるラストだったりします。

ということで、ほしのこえを見た後、監督のお名前は非常に印象に残っていました。
全作チェックしてるわけではないけど、個人的にはなんか切ないお話が多いというか、悲恋ものというか、なんだかこうもやもやするものが残る作品が多い印象で、それが味だとはわかるものの精神的高尚さのようなものが見えてあまり好きにはなれなかった。

それが今回、キャラデザもあの花などを担当された田中将賀氏を迎え、受け入れやすいキャラデザになったこと、そして「言の葉の庭」が成功したこともあったのか、今作は大規模上映で、これまでの新海作品とは比べものにならないほどばんばん宣伝されてます。
だからか、こう悲恋ものというか、見終わったあと胸糞感が残るというか、感じたときめきを返せとか、精神的にきついラストなら2回目はいいや……とか思ってしまうような内容には今回はならないのではないかと勝手に期待する部分もありました。
ノベライズを読もうと思ったのは、劇場で見る前にそれを確認したいという思いもあったのかもしれません。
小説読んでて、最後の最後のページまで気が抜けなかったけどね!


結果――

ハッピーエンドで良かったー!
早く映画見たい!!

うん、夏休みでかつ、恋愛物アニメなので、私のようなヲタク以外のリア充カップルが沢山いたとしても気にしないよ。
最後部中央席を予約でとって、ふんぞり返って見ようと思うよ。


ということで、以下感想。
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テーマ : 読書感想文    ジャンル : 小説・文学

[小説] 最愛の花 著:藤波ちなこ

 ドラークはその花を自分だけの秘密にしたかった。
 月光を紡いだような銀髪に、手袋越しでなく、直に指先で触れたい。
 あの白い頬は温かいのか、冷たいのか。どんな手触りがするのか。
 自分だけが触れたい。自分にしか見せない顔が見たい。誰にも聞かせない声が聞きたい。
 その感情はきっと忠誠心とか騎士の献身とかいう清らかで崇高なものではなかった。ひりひりと胸を焦がし、やがて身の内を蝕むように焼き尽くす激しい恋情だった。

(最愛の花 p118)


478169571X 最愛の花 (ソーニャ文庫)
 藤波ちなこ Ciel
 イースト・プレス 2016-02-03

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初恋の爪痕」で、これはもう次回作からはお名前買いしようと心に決めた、藤波ちなこ先生の新作です。
その上、今回イラスト担当がcielさんで、発売前から期待度はうなぎのぼりでした。タイトルも、何か純愛な雰囲気かもし出してましたし。

それでも、最初にあらすじを確認したときは正直どうなんだ? って思わなくもありませんでした。
いや、色々積んでない? と。前作のように、ヒーローには婚約者いるけど、その婚約者がアホなことかまして婚約破棄なんて流れは結構ありそうだと思ったのですが、ヒーロー既婚? しかも、ヒロインの妹と? ヒーローには何かしら思惑あるんだろうし、それがヒロインのためだったりするんだろうけど、外側から見たら不倫関係のようになるのかなとそれは何か微妙だなというか、あらすじを見た時点では、妹がどういう人間なのかわからなかったので、何か理由があるのだろうとはいえ、結婚までしちゃうのは相手に対してちょっと不誠実すぎないか? なんて思っていました。
だから、駆け落ちエンドとか心中エンドとかもちょっと危惧しないでもないでした。
しかも、ヒロインは病弱設定。どうすんだ、これ、TLとしてエロに耐えられるヒロインなのか? なんて思ってしまったのはあしからず。でも、病弱設定ヒロインって庇護欲かきたてられるので、どちらかというと好きな要素だったりします。

結果的には、こーきたかーっと、これはいい意味であらすじ詐欺なのかもしれないけど、もし私が思ったようにお互いの心情はどうあれ不倫っぽい関係性のように思われてしまう可能性が無きにしも非ずなのはもったいないなぁって思いました。
だって、これ、確かに結婚式は挙げたのかもしれないけど、何か全く想像してたのと違っていたのですよ。


不遇の姫ソフィアの11歳の誕生祝に、父大公から護衛として14歳の従騎士ドラークが護衛としてつけられる。
彼はソフィアの同じ歳の異母妹マルハレータの4人の騎士のうちの一人として送られるはずだったが、人に忌避される赤毛であることから外されソフィアの護衛となる。
最初は頑なだったドラークもソフィアの心に触れるうち、彼女を自分の生涯の主であり、また女性としても慕うようになる。
主と騎士という二人の関係は、彼らにとってお互いに夢のように幸せなときとなるけれども、それは1年という短い期間で、父の命令により簡単に終わりを迎えてしまう。
ソフィアはドラークの出世のために、彼のためと彼を遠ざけることを決意。しかしドラークの気持ちはソフィアに向かったまま、会えなくとも毎朝彼女のために花を贈り、彼女ために力をつけていく。ソフィアも彼を慕う気持ちをそのままに、やがてその心を恋心だと自覚する。しかし、ドラークの努力はすべて彼を彼の望まない立ち位置へと向かわせ――
そして6年離れ離れになり、いざ再会しようとなったとき、ソフィアはドラークと妹マルハレータが結婚するという事実をつきつけられて――

と、あらすじで読める部分までの導入部分というか、それまでが思ったよりも結構長かった。
いや、それ自体は、二人のぴゅあっぴゅあな関係が可愛くて、そして当時11歳のソフィアに思春期まっさかりであろうドラークが主従の情以外の情欲を秘めているのが何とも私の萌えポイントを刺激してくださいました。


以下、がっつりネタバレ含んでいきます。
テーマ : 読書感想文    ジャンル : 小説・文学

[小説] 隠れ姫いろがたり -紅紅葉- 著:深山くのえ

「あっ、いけない。褒めるときは控えめに、でしたよね。高倉に教わっていたのに」
 できれば歌で、とも言われていたが、まだ難しい。
「……別に、そういうことは気にしなくていい」
「え?」
 純子が首を傾げて理登の顔を覗きこむと、理登は下を向き、視線を純子から背けた。
「好きなように話せばいい。……悪いことを言っているわけではないのだから」

(隠れ姫いろがたり -紅紅葉- p72)


隠れ姫いろがたり -紅紅葉- (ルルル文庫)
隠れ姫いろがたり -紅紅葉- (ルルル文庫) 深山 くのえ あき

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深山くのえ先生の作品を読むのはこれで2作目です。
以前、感想を書いた「桜嵐恋絵巻」以来です。
桜嵐は、平安を舞台にした、しっとりした雰囲気のお話で、文章も読みやすく一気に読んだ覚えがあります。が、まぁ、過去に書いたとおり、少し引いて見てみるとなぜかヒロインヒーローに対して個人的にもやっとするものが残る作品でもありました。

この度、ふと普通の少女小説が読みたいなと思ったかは記憶が定かではありませんが、今回の隠れ姫、イラストはあくの強くないあきさん、何かあらすじに惹かれるものがある、深山さんの平安もの――ということで、数日悩んだ後読むことにしました。

結果、久しぶりに少女小説を読んで当たりだったなぁっと。
次巻が楽しみであります。
だいたい4ヶ月スパンで出されてるみたいなので、12月かな?



今回のお話は、十二年前に行方不明になった帝の娘、純子が主人公です。
そしてお相手は、先々代の帝の皇子である兵部卿宮、理登。
外で育った純子の教育係として、帝に彼が遣わせられ二人は出会います。

けれども、その期間は一月と短い間でしかなく、純子は母親のいる宮中に戻されてしまう。
そして、戻ったはいいけれども、双子の兄はうざいし、周りの女房たちとは価値観違うし、環境の変化から再度悪夢は見はじめるしで、会えなくなってしまった理登に会いたい想いを募らせる。
理登も純子に会えなくなり何も出来ない自分に悶々とした日々を過ごしていたけれども、自分の持てる力を使って、純子に会おうとし、また彼の友人である藤原直輔の気回しにより、二人は再会しお互いの想いを確かめあう――というのが、大筋。


この巻のみでは、そんなに大きな動きはないし、誰が三歳だった純子を親元から離したのかとかも分からない状態です。

ただ、びっくりしたのが……

この巻で、後朝の文までいってしまってることです。

私、古典とか興味ないから平安風俗なんて本当に無知です。
恋嵐を読んだとき、思わせぶりなシーンあるけれど、昔の人だから貞操観念高そうだしやってねーのかな? なんて思ってたくらいで、妊娠ってのが出て、ああ今まで思わせぶりだったところ全部そういうことなのかと納得したくらいです。
キリスト教が入る前の日本は奔放だったようで、女性の貞操観念は低いというか、よく言えば、とにかく全身で恋を楽しんでたんだろうなといいますか……。そして、恋が終わると次へ行くのも早かったとか何とか。田舎とかだと昭和の時代まで通い婚とかあったらしいです。なかなか面白いもんです。


話はそれましたが、恋と自覚していなかった十五歳のヒロインが己の恋を自覚してすぐ、二十代前半のヒーローと一気にそういうところまでいってしまったわけです。
純子の朝の様子からも、この時代の女性の性への受け止め方がわかるものがありました。



にしても、何が良かったって、理登の三つの質問ですよw

純子が自分を慕ってくれているのは、男ではなく兄としてではないのかということへの確認、外で育った彼女が今まで呼ばれていた名、そして自分が彼女とこれからも会おうとすることで自分達が恋仲に思われる可能性について――


いやぁ、自覚した後の理登の行動が早いな、さすが平安時代。
というか、己の恋を確かめるために通うのかもしれないけれども。

理登が質問したときは一方通行だと思われていた彼の想いは、彼が純子に彼の覚悟について語ったときに、彼女もまた己の想いを恋と自覚することになり、想いを確かめ合った二人は――と、夜明け前、純子が理登を見送る描写で何があったか察せられるというものです。
そして、理登の二つ目の質問の答えだった「いと」という純子の名前呼びに、私の萌え心が激しく刺激されたのは言うまでもない。是非、純子の「理登様」と呼ぶシーンも見てみたい。

それはさておき、着物に匂いが移るってなんだかエロティックだよね! 
TL読み漁ってる私ですが、雰囲気のかもし出すエロスに、直接的なエロは到底及ばないと思うのです。
現在の彼らの関係である、夜しか会えないという何だかエロスのある現況がどう変わっていくのかも楽しみです。
にしても、こんな状況から妊娠しちゃったりしたらどうなるんだろうね?


いや確かにね、少女小説だし、まだ1巻だし、そこは言葉通り、朝まで一緒にいました~ってだけなのかなと思わなくもなかったのですが……理登が後朝を文を送ってきたので、そういうことなのでしょう。私でもそのくらいの古典知識はあるのです。
作中では純子が理登の文の意味を理解できていないので、彼からどんな文が送られたのかは語られていませんが、今後明かされ、純子がその意味を知るときが彼女はどんな反応をするのでしょうか。是非、赤面モノであることを期待しますw

一気に関係の進展した純子と理登ですが、純子つきの女房である高倉は、まずは文の交換からと思っていたようです。この件に関しては、直輔の気回しが大きく影響したと言えます。
直輔グッジョブと言いたいところですが、少女小説としてはそれにいたるまでももうちょっと読みたかったのも正直なところです。
ですが、純子は後宮にいるわけで、貴族のお姫様と比べれば通うのは中々難しそうなポジションです。彼女は出歩くこともできないわけで、恋の発展となると文を交わすくらいしかない。また、理登の宿直がある夜にしか会えない二人なわけで(と言っても、理登はすでに宿直関係なく訪れたりしてますがw)、両想いの二人がそんな状況にあって、かつ平安時代ということからしたら、逆にここまでの関係にいかないほうがおかしいのかなとも思います。私自身、じれったい恋の駆け引きをほぼすっとばして恋人となった二人の今後がとても気になる次第であります。

直輔の「会えたのか」の問いに対して「逢えた」と答えているのが、中々印象深かったです。つまり、ただ会ったというだけではないということで。



きっと理登は彼の背景から、今まで色々と心無い噂をされてきたのだろうなと思います。
そして、まっさらな純子が嘘は嘘と言って、彼自身を見ようとしてくれた純粋な様や今まで育った環境から離されてどうにか頑張っていこうとする様に心惹かれていったのかなと見えます。作中でも、クールな表情の下でひそかに動揺してそうなシーンがいくつかありましたw

そして、純子は宮中で育ってないので、お姫様教育というものは全く受けていません。
天真爛漫で素直な気性で、しきたりとかに対して愚痴たれる様子はちょっとアホっぽい部分もあるので、読み手によっては好き嫌い分かれる要素になりそうですが、私は凄く可愛く思えました。
ただ明るいというだけではなく、過去連れさらわれた経験のトラウマに苦しんでいる部分もあって、その明るさやひたむきさと彼女の弱さとのギャップがなんとも可愛いのです。こんなん目にしちゃったら、男心つっつかれるのはしょうがない。その上、夜の二人だけの状況で袖を掴まれて行かないくださいなんて言われたら、後朝交わす仲になってしまうのもしょうがないw
純子の行動がいちいち可愛らしいので、ラストあたりでは理登はもうかなりやられてるんじゃないかななんて思うくらいです。

今後、純子をさらった人物(勢力?)やらが明るみになっていったり、二人の恋に対して色々出てくるのかもしれません。
お約束として、恋のライバルとか嫉妬とかの要素も見てみたいです。

とりあえず、身分的には問題なさそうな二人なので、ゴールインするときはさらっとしそうですが、現在のところ、理登が純子の元に通うことに対して、彼女の今後の縁談に差し支えあるのではと言ってる部分があるので、自分がその相手になるとは考えたりしないのかなと思いますが……



何はともあれ、続きが楽しみです。



隠れ姫いろがたり -紅紅葉- (ルルル文庫)隠れ姫いろがたり -紅紅葉- (ルルル文庫)
深山 くのえ あき

姫の華麗なる奴隷生活 (ルルル文庫) 春天繚乱  花鎮めの姫と七星の剣 (角川ビーンズ文庫) 呪われた皇帝と百人目の花嫁 (ルルル文庫) シンデレラ伯爵家の靴箱館 偽りの乙女は時をかける (ビーズログ文庫) 箱入り王女の災難  時間と秘密と天使のワルツ (角川ビーンズ文庫)

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[小説] レオ・アッティール伝Ⅰ 首なし公の肖像 著:杉原智則

「ぼくはアリオンに来てよかったよ。きみや――、きみたちに会えたから。だから泣くことなんてない。ぼくをかわいそうだと思う必要もない。笑っておくれ、フロリー。そして歌っておくれ。アトールもアリオンもないんだ。きみが笑い、歌ってくれるその場所が、ぼくが幸せに笑える場所なんだから」
(レオ・アッティール伝Ⅰ 首なし公の肖像 p209)


404865196X レオ・アッティール伝 (1) 首なし公の肖像 (電撃文庫)
 杉原智則 岡谷
 KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2015-06-10

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発売数日前に、たまたま著者作品のレビューを見ようと思いたち、新作が出ることを知った。
当ブログでレビューも書いたことのある「烙印の紋章」の作者の新作である。
[感想] 烙印の紋章 1~9巻
[感想] 烙印の紋章 12巻

この「烙印の紋章」は久しぶりにわくわく読んだ作品だったけれど、正直なところ個人的には完成度という意味では手放しに賞賛はできなかったりする。
西方編までは間違いなく傑作だと思うんだけどね…
シークが退場してから、結構きついもんがあったし、終わり方としては纏まってはいるけれども、伏線の取りこぼしなどの宙ぶらりん部分が気になった。


そして、烙印の後のスニーカー文庫で刊行された新作は、イラストとあらすじで手に取らないまま、気がついたら一部完になってた。
きっと、二部は――大人の事情って嫌だねぇ。
最後まで読めないのも嫌なので、もし、二部が刊行されそうなら、ちゃんと一部から読んでみたいとは思います。


と、そんな情報を仕入れていると、見慣れない表紙の画像が!
おっ、電撃文庫から新作出るんだー。ガチファンタジーかな? うん、あらすじ、いいな。烙印的な重厚本格ファンタジー楽しめる! と、即Amazonでポチりました。初動大事! 新作お布施の意味も兼ねまして。
表紙印象からすると、ヒロインこの人なのかなー、あまり好みじゃないなぁとか思ってたけどね。読了してから見ると、なぜこのセーラさんが1巻表紙を飾ったのか全く意味不明です。作中で、主人公レオ公子とこの表紙のセーラは、作中で会話らしい会話すら交わしてませんから。色っぽいヒロインを表紙に入れとけとでも編集指示があったのでしょうか?

イラスト担当の方は、電撃イラスト大賞金賞をとった方のようで、電撃編集部的に、この新作を押し作品にしようとしてくれるのかな?と思わなくもない。
絵としては烙印よりは癖がないので、個人的には好きな感じのイラストです。モノクロ挿絵はカラーに比べると無機質な感じで魅力減ですが、邪魔になる感じではないので全然有りです。


そして烙印が終わってから、出入りしてなかった2chの作者スレを確認すると、もちろん話題が出ていました。
すると、どうやら烙印と同じ世界観というではないか!
いやぁ、これは期待しないわけにはいかない。
と思っても、私の頭の中からは烙印の相関関係はすっかり抜け落ちているので、アリオン?どこそれ?状態。オルバとビリーナという主要キャラの名前くらいしか覚えていない。上記でその死にショックを受けたシークの名前すら覚えていない始末。


そんな私ですが、新作、とても楽しめました。
いやぁ、これは続きが気になる。
早く続きが読みたい! 烙印の刊行ペースから考えると、5-6ヶ月ペースかな?
スニーカーのは4ヶ月ペースみたいだったけど。


正直言うと、1巻の構成としてはこれどうなの?って気というか、読者獲得という意味で、心配になってしまいます。
というのも、50p辺りから200p近くまで主人公不在なんです。1巻なのにっ!
私もその辺り、ちょっとうつらうつらしながら読んでたことは否定できません。

が、そこに出てくるキャラのまた生き生きとして素敵なこと!
かと言って、主人公に存在感がないわけではありません。もちろん最近のラノベにありがちな、俺TUEEE系では断じてないので、そういう主人公が好みの人からしたら派手な部分はないとは思いますが。

そして、その主人公不在の状態から、話が主人公たちと状況をともにしてからはかなりぐいぐい来ました。


烙印での主人公は、影武者の王子さま(皇太子だけど)だったのが、今回は人質に出された王子様です(公子だけど)。


今回の主人公は美少年系主人公? 女性的な繊細な顔立ちらしい。
身長は高いみたいだけど、ほっそりしてる。17歳。
性格も大人しめ。剣を握るより本を読むほうがあってる感じ。
そんな彼が作品序盤で語られる悪名高い『首狩り公』と呼ばれるようになるまで。


1巻の時点では、この穏やかな感じの少年がどうしてそんな風になるのか全く想像ができない。片鱗はちょっとあるけれども。
武将タイプではないです。知略タイプで色々成し遂げていくのかな? なんとなく狸な気がする。
表面はとても穏やか人畜無害な感じなのに、それは彼の中のよどみを排除した結果であって、黒い面も同時に育っていたようです。
彼の今後が、とても楽しみです。


烙印の世界よりは少し前の時代のようですが、この先、主人公の国アトールは存在していない。
どうやら、主人公が自国を滅ぼすよう?
でも、悪名高く後世には伝えられている人物になるけれども、英雄なのだという。
しかも、主人公不在中、というか1巻の半分はパーシー=リィガン伝と言っても過言じゃないかもしれないのだけど、このパーシー、アトール国の貴族の次男坊。20歳。色々こじらせた感じの黒歴史を持ってるけれども、中々のアニキ気質のいい男です。
その彼はなぜか、アトールの敵国アリオンの英雄になっているらしい。

この後、歴史がどう動くのか全く予想ができない。








と、前置きがとても長くなりましたが、以下簡単なあらすじ。
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[小説] 初恋の爪痕 著:藤波ちなこ

 まるであつらえたかのように、こんなにもゲルハルトにぴったりなのに、男なしでは生きていけないくせに、なぜ自分の元から離れようというのか。
 他の男に指一本触れさせてはならない。泣き顔も喜んだ顔も、はにかみも感じたときの顔も、誰にも見せてはいけない。
「――おまえは私のものだ」
 ユリアネの腹に自分の子種が宿るかもしれないという想像は、ゲルハルトをひどく満足させた。産ませれば、彼女を繋ぎとめる枷になる。子どもを捨てて逃げるような女ではないからだ。

(初恋の爪痕 p136-137)


初恋の爪痕 (ソーニャ文庫) 初恋の爪痕 (ソーニャ文庫)
 藤波ちなこ 北沢きょう

 イースト・プレス 2014-11-02

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Amazonでのレビューがすこぶるよく、幼なじみ、そして気付かないまま陵辱ものというので気になっていた本作。
ぶっちゃけ、今まで読んだTLの中で一番好きかもしれないと思った。
これを読む前に、火崎先生の「あなたの手を取るその前に」を読んで、似たようなこと思ったというのに、こんなに当たりTLにぶっつづけで当たるなんて、今年は中々のヒキがいい気がします。


ただでさえ、幼なじみ設定好きなのに、そこに陵辱要素とな!?
いったいどうやって絡まってくるのか……



小さな頃のほんの短かな邂逅そして初恋。小さな頃の約束を胸に、いつか自分に優しくしてくれた少年に再会できることを夢見ていたユリアネだが、邂逅から七年が経ち、彼女はその少年と自分が結ばれることはないと知る。
それは、少年の父親であるグロウゼブルク侯爵と自分の母親が、道を踏み外した関係だからだった。
そして、ユリアネが十六になる前、グロウゼブルク侯爵の息子ゲルハルトが、彼女の母の死の知らせとともに訪ねてくる。
彼の父親の愛人だったユリアネの母は、彼の父とともに海に落ち死んだという。ゲルハルトは愛人の身の程を思い知らせてやると、自分の家族を壊した憎しみ、復讐として、ユリアネは愛人関係を強要されてしまう。
しかし、その裏には、ユリアネの両親を死に追いやったグロウゼブルク侯爵の狂気とユリアネを愛する母の愛が絡んでいて――。



何がいいって、なんか身も蓋もないないけど、結構中盤まで陵辱行為があることかな!

なんだかんだと、無理やりがあるTLって、無理やりだけど結局、ヒーローの行動理由に免罪符的な、ヒロインに対しての愛みたいなのがある気がして、それをヒロインもなんだかんだ楽しんでるところがある気がして興ざめ感がある気がするんです。
以前レビューにも書いた「断罪の微笑」でも、私陵辱描写に萌えを見いだしてたけど、最初以外は陵辱要素薄いっちゃ薄いんだよね。これ、結構なんだかんだと、ヒロインも媚薬漬けにされて楽しんでる感じもあるから。
ヒーローが潜在的にヒロインに惹かれてたり、酷いことされても、ヒロインがヒーローを知ってて本人を愛してるからってのが両方とも前提にあるんだけどね。

ま、これユリアネとゲルハルトが小さい頃に出会ってて、初恋と自覚してて、酷いことされても、ゲルハルトに恋してるという自覚を持ってるから、彼女自身の心の救済措置ではあるけど、これを言ってしまえばTLはおしまいだが、よくこんなことする相手をずっと好きでいられるよね!というw
ゲルハルトも自身も、婚約者が家に訪れているときに、エスカレートするし。お父さんとそっくりですw

正直、TL作品においての復讐=女の望んでない形で身体を性的に痛めつけるって展開はよくあると思いますし、設定のひとつだよねとある種の割り切り感もあるんだけど、この作品の場合、愛人強要という目的があるからこそ行為だから、TLネタ的な不自然な感じがあまりしないように思えた。


なんだろ、この「初恋の爪痕」は、ユリアネは精神的には本当にいやがってて、関係を強いられてる感がすごくいいです。
そして、ゲルハルトが自分の父親がユリアネ親子にしでかした真実を知り、自らがユリアネにしたことを改めて思い知ったあと、取り返しの付かないあとに、ユリアネへの恋心を自覚しているのがとても良かった。
また、そこにユリアネ=小さい頃に出会った少女という思い出補正が加わってないのもすごく良かった。思い出補正加わってないってことは、ゲルハルト自身がユリアネを虐げた期間に知った、現在の彼女自身に恋をしたってことですから。
これ順番違うだけで全然、気持ちの度合いが違うからね。思い出補正はある種の吊り橋効果と言えなくもないですから。

ゲルハルトが過去を知る切っ掛けになったのが、ユリアネの訴えからってのもあるんだけど、そこでのシーンも凄く良かった。真実を知ったユリアネが、なりふり構わずゲルハルトに訴えて、死を望む行動に出たことに、ゲルハルトは無自覚に彼女に恋してるからこそ、わかりにくく狼狽えてる感もまたよかった。

陵辱描写も、ユリアネにあえて感じさせるという背徳感を持たせる行為をゲルハルトが行っているのもあって、なかなかのどろどろ具合もいいんだけど、かなり痛々しいシーンもあって、個人的にはすごく満足。
冷静な視点から言ってしまうと、この人、いつもこんなにすぐ準備万端なほどよくおっ勃ててんね、と思う私がいなくもありませんでしたが。


あと、今作の良いと思う点に、痒いところに手が届く感じでユリアネとゲルハルト両者の視点が交えられて語られる構成であり、かつ話の構成というか、テンポがとにかくすごくいいです。ストレスなくするする読めます。
そして、とにかく心理描写の充実具合もいい。
絶望的な状況なのに、それでもゲルハルトを受け入れるユリアネの心や、蛙の子は蛙だねといった歪み具合をみせるゲルハルトの危うさもすごく丁寧に描かれています。

濡れ場自体も、そんなにページ数が割いてあるというわけでもないのに、なんだかすごく充実してて、過不足ない感じの満足感がありました。いやぁ、30ページ割かれてるエロ描写はよくあるけど、ページ割けばいいってもんでもないなって改めて思いました。
結構濡れ場が濃い感じがしましたが、そういった行為が頻繁に行われているという語りだけで、実際の濡れ場らしい濡れ場といえば、5シーン程度なので、まぁ普通でしょうか。でもそれぞれのシーンに割かれてるページ数はそんなに多くないのに、えろが濃い気がするのは、きっと一度で終わってない、連発が多いからでしょう。あと、個人的には事後シーンがさらっと描かれてるのがかなりツボでした。
上記抜粋シーンの辺りもニヤニヤしましたが、ユリアネがゲルハルトの元から去る前日の甘々も素敵だった。事後のゲルハルトの想いも描かれている分、ユリアネ視点での彼の触れ方や語らう描写が切ない。


また、過去が明るみになって、故人の想いとかが語られるあたりは、かなり涙腺刺激されました。
ユリアネの父の乳母であり、彼女の育ての親であるパウラが、隠さざるを得なかった過去にある、ユリアネの両親の彼女に対する愛。
もう、家族愛ものって涙腺刺激されやすいんです、私。死にネタ系は、涙腺刺激されながら冷静に、泣けるのは死にネタだからかーなんて思ってしまったりするんですが。


TLだから、ヒロインにいくら酷いことしたヒーローでも結ばれるんだろってのがあるけれど、正直ゲルハルトさん、この行いの落とし前をどうつけてくれるんだろって読みながら思ってましたが、ユリアネに対する贖罪は、ゲルハルトの心理描写が丁寧なのと、彼自身ができうる限りの誠意が語られているのもあって、読んでてこんなもんかって興ざめ感がなく良かった。
最終的に、彼は何も失ってはないけど(信じていた父親像は藻屑のように消え失せたでしょうがw)、多分ユリアネにしたことは、いくらユリアネが許しても一生背負っていくものになるんだろうなぁっと。


とりあえず、作品全体にとても満足のいく作品でした。


細かいことを言うと、ちょこちょこ気になる部分はあるし、ラストとってつけたように修道院でやるのかよ、いくらユリアネが許したからといって、こいつよくこんな行動に出れるな、節操ねぇななんて思う部分は無きにしも非ずでしたがw 一応、場所を弁えて背徳感持ってる描写があるから、そこまでもやっとはしませんでしたけど。

再会するまでも、ユリアネがゲルハルトとともに行くと決心するまでも結構早かったなというか。まぁ、そこは、ゲルハルト自身の想いもあり、いてもたってもいられなかったんだろうってのはわかるんだけどね。
あと、パウラもそのまま修道院に入ったまんまになるのかなとか、元々彼女の望んだ形かも知れないけど、ユリアネに巻き込まれて修道女になったように見えなくもない。そして、パウラが乳母をやってたんなら、自身の子どもとか家族はどこにいるんだろ?とか気になったりもしました。
使用人の描写ももうちょい白黒はっきりさせて欲しいというか、ミューエさん、作中のどっかでユリアネに謝ってはいるんだけろうけど、そこはさらっと一言触れては欲しかった。

あと、描写は丁寧なんだけど、その視点の人物が相手の思いを汲み取るような描写で、ある種の憶測なのに断定的に、言ってしまえばその視点であるキャラに都合のいいように、その相手の気持ちを解釈、代弁されてる感があるなぁなんて思わなくもなかったかな。


挿絵は、なんか表紙の小綺麗な印象からすると、丁寧なんだけど本当に表紙の人と、同一人物が書いたのか若干不思議に感じる部分がありましたが、作品印象とミスマッチって感じの拒絶反応感は全くありませんでした。
さらっとしてた主張が強くない感じなので、読んでて邪魔にはならなかったです。挿絵って下手すると、作品の印象壊すな、目に入れたくねぇんだよ!ってのもあるので……。いくら良い作品に思えても、挿絵ひとつで下品に見えたりもしますから。




ソーニャ文庫公式で、番外編が読めるんですが、父親の日記の裏の意図を汲み取る描写があって、それは本編に入っても良かったんじゃないかなぁと思った。
本編だけだと、なんかこんな真相があるのに、都合良く証拠物件残ってたよね感があることは否定できないので。
なので、本編読了後、番外編は必読です!

実は、個人的には、懐妊がわかるシーンも、見てみたかったなと思う面がある。
そして、それがゲルハルトがむちゃくちゃやってたときにできた子どもだとしたら、その後真実を知ったあと、彼の思いはいかほどだっただろうねw そして、子どもが出来たことで、ユリアネを手元に置けるほの暗さも見てみたかった。

Amazonのレビュー見てて思い出したけど、そういえば、読んでるとき、TLだからハッピーエンドだろうなぁとは思いつつ、やっぱりハッピーエンド至上主義の私としてはそう望みたい面もあったのですが、この作品は不思議と別れるエンドでもいいかもなんてぼんやり思ってました。




この作品が面白かったので、同著者の「ためらいの代償」も読んでみましたが、設定萌えは最初からなかったとはいえ、この作者さんの描写は好きだなぁっと思いました。

次作が出たら、お名前買いしたいと思います。


初恋の爪痕 (ソーニャ文庫)初恋の爪痕 (ソーニャ文庫)
藤波ちなこ 北沢きょう

マジメな魔王様を誘惑したらドSな絶倫になりました。 (ティアラ文庫) 二人だけの牢獄 (ソーニャ文庫) 軍服の渇愛 (ソーニャ文庫) 水底の花嫁 (ソーニャ文庫) 黒い天使は愛を囁く (ガブリエラ文庫)

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テーマ : 読書感想文    ジャンル : 小説・文学

[小説] あなたの手を取るその前に 著:火崎勇

「あ…、いや…っ。痛…」
「十分に濡らしていないから痛むか。だがそれでもお前は私を受け入れる。そうだな?」
 それしか道はない、と言われた気がして、私は目を閉じ、唇を噛み締めた。
 あの時は、二人が一つに繋がることに喜びを感じたのに、今はただ辛いだけ。
 身体の中に彼を感じても、異物としか思えなかった。

(あなたの手を取るその前に p139)


4879193143あなたの手を取るその前に (ガブリエラ文庫)
火崎 勇 池上紗京
三交社 2015-03-25

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幾度となく戦争の噂が流れる、豊かな国クラウドと貧乏国セイカの国境の街エンデバでお針子を目指すフラウは、街の外の岩山で足を怪我した青年に出会う。
見捨てるわけにもいかず、彼――コールの怪我が直るまで世話を焼くことに。その彼の怪我治癒するまでの三週間で、コールとフラウは、お互いを縛るものがないただの男と女として距離を縮め結ばれる。
フラウ自身、彼との恋は一夜限り、この先恋を知れたという、コールを愛する想いを胸に生きていこうとしていたとき、セイカ国王の庶子である自分に迎えがやってきた。それは、敵国エンデバの王に政略結婚のための迎えだった。
しかし、赴いた先の国、エンデバ国王コーネリウスは、フラウの愛したコールその人だった――。



最初、粗筋を読んだときは、いつもの火崎✕池上コンビの作品だというのに、なんとなく手が出てなかった。
ボーイミーツガール系で、怪我の世話を焼くうちにいつしか――なんていう、ベタ感というか、TLのきらきら感あるのかな?と、別にTLお約束のキラキラ要素が好きなわけでもないのに、なんとなくスルーしてた。

なので、普通にレビューの評価もいいし読んでみようかなんて手をつけてみたら、今まで読んだ火崎作品でもしかしたら一番かも……なんて思うくらいには、自分の中でツボに来た作品でした。

火崎先生の作品は、お約束感があって、話はベタすぎるくらいベタでとても安心して読めるんだけど、なぜか全然退屈に思えない。
一人称作品って下手をすれば、くどい印象を持ったり、語り手に感情移入しやすい反面、その人物に対する読者としての気持ちも両極端なものになったりもするんだけど、火崎ヒロインは、本当にいいこちゃんなんです。いや、こうやって書くと、なんかあれだけど、不快感のないヒロイン象というのかな? 貞淑で、自ら己を律して動く、そして一途に相手を想うので、不快感がない。
と、今回のヒロインもひたむきな感じで、賢くて、ヒーローを一途に想って――ってのは同じなんだけど、一応国王の庶子であるとはいえ、生まれてからずっと田舎町で暮らしていたこともあり、まして王女教育なんて受けたこともない。
そんなヒロインであるフラウが、生まれを利用され、戦争回避のための政略結婚として、想う人が胸にいるのに知らない男に嫁がなければいかなくなる。

読者としては、作中で、二人が最初に出会ってから別れるまでの間、フラウが自身の出自を語る時点で、自分の父親がセイカ国王かもしれないというあたりで、話の展開は読めるものだと思う。
もちろん、その読みどおりに話は進むんだけど、フラウとコーネリウスの間にすんなり幸せは訪れないw
コーネリウス自身、彼女が隣国の王の娘だとわかり彼女と一緒になる一縷の望みもあって、こういった政略結婚という形にし、ドヤ顔で再会するも、愛の言葉なんて言われてないし、フラウは自分の出自を利用された、コーネリウスに愛されて望まれたわけではないと彼に対し頑なになる。
そして、コーネリウス本人も、彼女が再会を喜んでると思っていたのに寝耳に水、自分を金で買った、娼婦扱いしたと訴えられる。フラウも自分の身に両国の『平和』がかかっているからと、自分の立場を受け入れるしかなくなる。
ほんのちょっとの意識の違いでこうもこじれるかってくらい、二人の間はすれ違うのが面白いです。

そして、いつもの火崎ヒロインとちょっと違うなって思ったのが、フラウは、自分の教養のなさや政略結婚で嫁がされた被害者意識に卑屈になった部分もあるってところ。それを人に諭されるまで、自ら努力はしていなかったと自覚し、コーネリウスの王妃として様々なことを学んでいくところが素敵でした。

また、作中には、コーネリウスの妹カップルがいて、彼女リンディアが、フラウの良き友人になるんだけど、結構彼女が中途半端な情報をフラウに与えてくれるせいで、フラウはコーネリウスに自分ではない好きな相手がいるとか思う始末w
そんな妹姫は、庭師と身分違いの恋に誰にも言えず悩み中。フラウは自由な恋ができたはずなのに、政略結婚に巻き込まれたことで、望んでない結婚を強いられたことに仲間意識を持って打ち解ける。
そして、フラウはフラウで、自分の恋は叶わないから、妹姫の恋を応援しようと、身分違いの結婚をするにはなんて人に聞いたりして、そしてまたそれがコーネリウスの耳に入って、また妹姫と庭師を取り持とうと動いたせいで、コーネリウスにいらぬ勘違いをされてしまったりwww
嫉妬というかなりお約束な展開ではあるんですが、ここも火崎ヒーローにしては、ヒロインに対しての余裕のなさっぷりが素敵でした。火崎ヒーローって、いつも高みから余裕で無知なヒロインを翻弄してるだけって部分もあるので。

結局のところ、フラウと庭師が一緒にいるところを勘違いして暴走して、妹姫たちの関係も知れて、皆幸せにうまく収まりましたーってなります。

欲を言えば、結婚式まで見たかったなーというのが本音。
そして、火崎作品では、いつもあとがきでのさらっと語られる二人の今後を覘いて見たいという思いが募ります。

と、全体像を考えると、結構今回濡れ場自体は三シーンと少なめかなぁと思わなくもなかった。
ページ数も少なめっちゃ少なめな感じだったけど、なんだか凄く満足感あった。
甘々と痛さの両方を兼ね備えて、結構痛い思いしてるヒロインが可愛いと思えてしまう自分はすごく良かったです。初っぱなから無理やりってのは、なんかパターン的な何かが見えるんだけど、中盤に痛い部分があったのもまたいいなぁと思いました。


そして、最後に。
挿絵の絡み絵がすごく綺麗でした。

私、池上さんの絵って、表紙の色遣いとかすごい綺麗だって思うけど、挿絵ってなんだかなぁというか、「さらわれスノーホワイト」読んだときは、なんか変って印象が持ってました。特に濡れ場は違和感あった。でも、最近、って言ってもそんなに読んでないけど、「囚われの姫と黒の覇王」を読んだときも変に思う部分はなかったというか、これもいい話でエロも満足できた。
ガブリエラ文庫だと、エロも内容も安心感あるかななんて思う始末。次作で、また火崎✕池上コンビのガブリエラ文庫だと、予約買いしたいなと思いました。まぁ、校正ミスみたいなところはあるけど、校正ミスが気にならないのなんて、たぶん、TLジャンルだと講談社のWH文庫しかないんじゃないかなとか思う。
WH文庫と言えば、もうすぐ同著者の「秘密を抱く花嫁 真実の愛に溺れて」が発売されます。

WH文庫の作品は、「誘惑された花嫁候補」「花嫁はもう一度恋をする」の両作を読んでいますが、前者はイラストが好みじゃなかったのもあってあまり好きではなかったけど、後者は記憶喪失設定だけで設定避けしたい感じの私でも素直に面白いと思える作品でした。

そして、そんなWH文庫から出る新作が男装物だという!!!
男装設定大好きな自分は、書き手が火崎先生というだけで、久しぶりのTL予約買いです。
以前、男装というだけで地雷踏んだのもあって、大好きな設定だからこそ、とりあえずやることが前提のTLでは敢えてほとんど手をつけなかったジャンルでもあったりします。

はたして、1冊で終わるTL作品で男装という両者にとってのもどかしさをどう火崎先生が展開してくださるかが楽しみでなりません。


ということで、なんか話はそれましたが、「あなたの手を取るその前に」、お勧めです。



あなたの手を取るその前に (ガブリエラ文庫)あなたの手を取るその前に (ガブリエラ文庫)
火崎 勇 池上紗京

愛を選ぶ姫君 ~運命は花嫁にささやいて~ (ロイヤルキス文庫) マジメな魔王様を誘惑したらドSな絶倫になりました。 (ティアラ文庫) 黒い天使は愛を囁く (ガブリエラ文庫) 略奪されたフィアンセ (ガブリエラ文庫) 暴君皇子の執愛 奪われた純情 (ガブリエラ文庫)

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テーマ : 読書感想文    ジャンル : 小説・文学

[小説] 太陽を抱く月 (上)(下) 著:チョン・ウングォル

 フォンは二、三度首を振った。鋭くなった瞳いっぱいに涙が満ちている。
「おまえは何なのだ? どうしておまえはいつも私を刺激する? 私の気を狂わせるための罠か?」
 あふれる涙が流れ落ちた。フォンは両手で頭をかかえてうずくまった。
「おまえとふたりだけでいたくて逃げてきたのに、おまえはなぜ、なぜ……私のかわいそうなヨヌ嬢を連れてくるのだ。なぜいつも彼女を……」
 ウォルが、震える両手を重ねて口もとをおおった。大きな瞳から、フォンのように涙が後から後から流れ落ちる。あんまりだと思うほどの多さだ。彼女の足がフォンに向かって一歩ずつ近づく。フォンがうずくまったまま叫んだ。
「来るな! 離れろ。香り……おまえのその香りが、私をよけいに狂わせる」

(太陽を抱く月 上巻 p327)



太陽を抱く月 (上)太陽を抱く月 (下)


これが日本で発売した2012年8月。
その頃、「成均館儒生たちの日々」を読んだときのような韓流ブームは私の中でおさまっていました。
でも、この作家さんのは作家買いするぞ! という思いは朽ちておらず、発売から遅れること約1ヶ月、当時、上下巻一気読みできるタイミングで購入したにも係わらず、今の今まで積んでました。

[感想] 成均館儒生たちの日々(上)(下)
[感想] 奎章閣閣臣たちの日々 (上)
[感想] 奎章閣閣臣たちの日々 (下)


本作を購入したとき、最初の方だけ読んだ覚えがあります。
何だか入っていけず、序盤の序盤で、初章も読み終わらないまま(30pもないw)挫折しました。

というのも、王妃(妻)がいるくせに、他の女にも手を出すチャラ男系主人公なのかー? と、おぼろげな前情報などが影響してか、いい印象を持たなかったというか……。
あと巫女とかそういった非現実的な霊的現象が関わってくるという、個人的にあまり好きじゃないファンタジー方面の要素があるのかなという懸念もあったんだと思います。
実際読んで見ると、その辺はそこまで気になりませんでした。
極端な例で挙げるとすると、源氏物語でいう六条御息所の呪い発動程度だと思います。


なので、発売当時ほんのちょっと序盤を読んだだけで、大まかなあらすじすら全く知らなかったわけです。
ドラマも見視聴だった私は、今回メインストーリーをほぼ知ることなく読み終わることができ、非常に楽しめました。
再度読もうとしたごく最近、ほんの少し予告映像を見たりして、主人公とヒロインが小さい頃に実は関わりあった? くらいの知識しかなかったと言えます。

多分、手をつけてなかった理由のひとつに、今作のキャッチフレーズが悲恋というのを見かけたこともあり、ご都合でもハッピーエンド至上主義な私としては予防線を張っていたのでしょう。
いくらいい話でも、どっちかの未来がないというか、生産性がないというか――悲恋要素が含まれる作品は好きじゃない。
読み終わった後には、すっきりいい読了感で気持ちを満たしたいのです。
私が、本を読むのは娯楽のひとつでしかありませんし、ならエンタテイメントとしてはもやっと色々考えさせられるよりも、ああ良い話を読んだなと心から思って読み終わたい!


まぁ、そんなこんなで、今年の1月後半から最近まで――若干現在も進行形で、韓流ブームが再発というか、2015年冬ドラマで面白いと思える見るものがなく、なんとなくチャングムを見てしまったのが切っ掛けで、韓流歴史ドラマを色々見はじめたわけです。
そして、マイ韓流ブームに乗っかったこの機会に、今まで積んでた「太陽を抱く月」を読んで見るかーっとなりました。


読了して……というか、ある程度読み進めて出た結論。


なんで私、こんなにいい話を今の今まで積んでたんだよ、アホだろ……

そんなことを思う始末。



あと、本作はファンタジーと言われていますが、確かにファンタジーではありますが、非現実的なものがぼんぼん出てくるファンタジーらしいファンタジーではなく(巫女や呪術要素は多少ありますが)、朝鮮王朝を舞台としても、史実として存在しなかった王を主人公に据えたパラレルワールドという意味での【ファンタジー】です。


そして、本作の時代について。

ヨヌがフォンに詩を送るのですが、その送った詩の作者のことを巷の妓生と言っており、その妓生が黄眞伊(ファン・ジニ 約1506年 - 1567年頃)ということもあり、舞台は彼女が生きた時代1500年前半頃かと推測できます。
朝鮮王朝の時代としては、第11代中宗から第13代明宗辺りです。
中宗というと、日本でも韓国ドラマ興味ない人でもタイトルは聞いたことがあると思われる「宮廷女官チャングムの誓い」の時代です。

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では、前置きはそこそこに……
以下とりとめもなく、ネタバレ含みながら、ドラマと原作の違いも交えつつ語りたいと思います。


テーマ : ロマンス小説    ジャンル : 小説・文学

[小説] 白竜の花嫁6 追想の呼び声と海の覇者 著:永野水貴

 黒鳶は、眉一つ動かさずに言った。
「俺がお前を妻に迎え入れる。深緋の代わりとして」
 澄白の息が止まった。信じがたいもののように黒鳶を見る。遅れてその言葉の意味を理解したとたん、背筋が冷たくなった。
「た、戯れはおやめください……っ!!」
「俺がいつ戯れを口にした。お前に帰る場所などあるのか? お前の身寄りとなってくれる者が他にいるのか?」

(白竜の花嫁 追想の呼び声と海の覇者 p185)


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永野 水貴

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1年と3ヶ月ぶりの新刊でございます。
私、澄白の名前は覚えていますが、シュトラールさんの名前おぼろげに忘れてたくらいです。


そんで今回の「白竜の花嫁」第6巻!

あれ、私、少女小説買ったはずなのに、なんかミステリ風味の本読んでる……
今回、払暁の一族の村に、アメテュストの移植の真相を知りに澄白は訪れるわけでだが、そこには母の元婚約者がいたり、その母の妹つまり澄白のリアル叔母がいたり、自分以外の赤い目を持つ人たちと邂逅します。
そして、澄白は自分の母が同族を殺し逃げた人殺しと言われていることを知るわけですが、自分が慕った母がそんなことをするわけがないと18年も前の事件を掘り起こそうとする。
真相としては、姉にすべてを罪をかぶせた妹がおり、その旦那となっている母の元婚約者も事実を知っていながら黙って見ており、彼――黒鳶は、澄白を手に入れられなかった澄白の母、深緋の代わりにしようとしていて、また黒竜ザラームとも関わりがある様子。

それにしても、なんともまぁ、澄白とシュトラールはあっさりと再会してしまいましたね。
竜と人との時間の流れから、シュトラールはもっと後になって行動するかと思いきや、結構早かった。多分、一月も経ってない感じ?
シュトラールさん、澄白を探すために、なかなか苦しんで方々を飛び回っていた割には、澄白のピンチに、ヒーローは遅れて登場するよ!のごとく、登場するしw
なんというか、お決まりパターンと言えば、それまでだけど、本当にあっさり再会したなぁっと。
まぁ、今の少女小説で何冊も跨がって、ヒーローとヒロインが別離展開を歩むのはセールス的に難しいところがあったりするのかなぁなんて邪推してしまいますが、シュトラールには悩みに悩んで苦しんで欲しいという、私のS心がうずいていたのでちょっと拍子抜けしました。

あと、今回の話、こんなに丸々一冊費やすほどの内容なのかいまいちよくわからないというか――
結局、アメテュストの移植の件はこれ以降に語られるのか、またまた色々係わってきそうな気もします。

シュトラールが迎えにきたことと、ラストの黒鳶の様子から、澄白は払暁の一族の村を後にしたようですが、今回でてきたキャラはそのまま使い捨てなのかなぁっと。


しかも、シュトラールさん、ここまで澄白を探してきて、アメテュストのことを愛していたとか普通にのたまうし、結局澄白に対しての想いは宙ぶらりんのままですかーっとw


まぁ、普通に面白くないわけではなかったけど、今作にミステリ的な探偵要素を求めてるわけではないので、1年3ヶ月も待って、あまり進んでない内容を読んで、なんだかなぁって感想が無きにしもあらず。

あ、今回、払暁の一族以外にも新キャラが出てきました。
青竜≪ハルコス≫のプリミラさんは、女性の竜で、海に住まうらしい。ファンタジー的には、黒白青とくれば、赤がいそうなもんですが、どうやらこの世界にいる竜は、黒白青の3種類だそうです。あ、でも上位の竜族ってことだから、下位には他の色もいるのかな?

プリミラは、黒竜のザラームを追いかけているようです。
にしても、澄白は、竜の祝い子との遭遇率めっちゃ高いな。すでに、黒白青とコンプしてるw

そういえば、この作品のメインストーリーは、始種の関わりで話が進んで行ってたはずだと思いますが、前2巻がアメテュスト関連だったのもあり、そういえばそうだったなーという感覚が強いです。というか、本編で始種の言葉が出るまですっかり忘れてました……。

ああ、それにしてもヴェルミリオンさんの再登場はいつになることやら……。
今回の澄白とシュトラールの別離から、今後再度離れるってこともなさそうだしなぁ……さてさて、次はどうなることやら。



最後に、もやっとするのが、そりゃ作者が何を書こうが自由だと思いますし、他社でたくさん仕事をされているのもすばらしいことだと思います。けれども、抱えている連載作品を1年以上期間が空かせるのはどうなんだ……そりゃ、他レーベルにも打ち切りでもないのに作品をほったらかしにしている作者はたくさんいると思いますが、悪い例と比較しても意味がない。
勿論、他社との契約上の刊行スケジュール問題もあるだろうし、それはしょうがない。ただ、今巻が出て、同レーベルから別作品がすぐに出るってのはどうなんだよ……担当編集氏はその辺の手綱どりうまくしないのか。書き手がいて、ある程度売れる要素があれば、出版できるものはしたいというだけなのか。そんな大人の思惑があったとしても、待たされたとしても、このシリーズの続刊を買うとは思いますから、レーベル側にとって痛いところはひとつもないんだろうけれど……遅筆で刊行スパンが長いってのはしょうがないと思うけど、やっぱり他社から色々出してたり、同レーベルからも出してるってなると、新作なんかどうでもいいから、このシリーズの新刊が早く余みたいなぁと思ってしまいます。

何が言いたいかってーと、7巻も1年以上待たなければいけないってことでしょうか? 
できれば、早く読めたら嬉しく思います。

完全に私の脳から、シュトラールさんの名前が消える前に発売して欲しいものですw


白竜の花嫁 紅の忌み姫と天の覇者 (一迅社文庫アイリス)白竜の花嫁 異邦の騎士と銀翼の黒竜 (一迅社文庫アイリス)白竜の花嫁 隻眼の黒竜と永遠を望むもの (一迅社文庫アイリス)白竜の花嫁 朽ちゆく竜と幸いなるもの (一迅社文庫アイリス)白竜の花嫁 愛の終わりと恋の目覚め (一迅社文庫アイリス)白竜の花嫁6(仮) (一迅社文庫アイリス)

テーマ : ライトノベル    ジャンル : 小説・文学

[小説] 鬼の戀 著:丸木文華

「ば、馬鹿か! そんなことなど、できるはずがないだろう」
「なぜ?」
「それは……お、お前などと共に行くなどと、とんでもない。虫酸が走る……」
「だけど、ここにいればあなたは閉じ込められたままで……」
 それに、何か苦しいことがあるのでしょう? 泣いてしまうほど――――。
 そう言いかけて、萌は口をつぐむ。あれが夢なのか現実なのか、萌にもわからない。それに、直接そう言ってしまえば、宗一は傷ついてしまうような気がした。
「馬鹿なことを言う。馬鹿な……」

(鬼の戀 p157-158)


鬼の戀 (ソーニャ文庫)鬼の戀 (ソーニャ文庫)
(2014/08/03)
丸木文華

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丸木文華先生のTL作品4作目!

やっとこさ、積みに積んでた何冊かのTL作品を消化させて、
8月に購入していた本編「鬼の戀」を読了。
というか、小説のレビュー書くのって久しぶりだな。



何気に乙女ゲームを含め、TL全著作に手をつけている作家さんです。
BLは読みたい読みたいと思いつつ、読んで無かったりしますが……。


私のなかでTLジャンルというものは、一度読んで合わないなぁって思った作者の作品は買い避ける傾向が強いのですが、正直なところ、丸木先生の作品も乙女ゲームの「蝶の毒 華の鎖」以外、好きな作品はなかったりします。

丸木先生の作品は、私がTLというジャンルに求める強いエロ萌があるわけでもないと思うのですが、それでも、TLの新作が出ると読んで見ようという気になるのは、描写が好きだったり、最後まで読んで、キャラも話も好きにはなれないけど、なんだかんだと読み応えというのかな、満足感があるからかなとも思います。
たとえ、義兄に小さい頃からいたずらされ続け恋人ができてその恋人を殺されたとしても(義兄)、最後SM部屋みたいなところに連れてこられて絶叫する最後(なりかわり)だったとしても、ワンコ系後輩だと思ってたら実は腹違いの弟(たった二人で世界を裏切る。)だったりしても、やってることはエロいなぁ、なかなか面白いことするなぁと思っても、うっほ萌えるwwwwwって思ったり、ヒーローかっこいい、ヒロイン可愛いって思うようなことはなかった気がします。


今回、丸木先生の作品で、イラストが今までずっと気になってたCiel先生で、表紙イラスト綺麗、Amazonのレビューの★数から期待度あがるわぁなどと思いつつ、お、鬼が出てくるってことは和風ファンタジーかなな~と期待度をあげつつ、試し読みも粗筋もまともに確認しない状態まま購入しました。



んで、読み始めて3p目。
げ、昭和物かよ……私、多分これ知ってたら読まなかったかもしれないなぁ……と思った。

戦後2年目、岡山の山間の村が舞台。

私、漫画でもアニメでもなんでも、リアル近代が舞台って苦手です。日本以外が舞台でも、近代だとよっぽどじゃないと手にとろうとしない。
学生時の歴史の授業がその辺小難しくて嫌いだったってのを引きずっているのかもしれませんが、萌えを求めて読むのに、なんか手の届きそうな過去というか、生き証人がまだ現代に存命してるってのもあって――ってか、戦後2年で20歳ということは、うちの爺様と同じ年の生まれですし……とそんな感じで、がっつりと二次元作品としては楽しみにくいという先入観があるというかなんというか。平安とか古代までいくと、もうファンタジーとして楽しめるんですがね。
ま、昭和物と知って、あがりまくった期待感が下がりつつも、きっと面白いと自己暗示的に思って読もうとしてると感じながらも、読み始めてしまえば、全然気にならないし、普通に楽めましたw


あと、TLには珍しい和風FTかと思ってたら、伝奇ホラーというジャンルというのがしっくりくるなという感じでした。



以下、がっつりネタバレ。
テーマ : 読書感想文    ジャンル : 小説・文学

[小説] 灰と王国 北辺の闇 著:風羽洸海


灰と王国1 北辺の闇灰と王国1 北辺の闇
(2014/03/28)
風羽洸海

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久しぶりに、一気に読了。
なかなか面白かった。
このあと、web版目を通すかーってほどには。


ただ、うん、思うのが、別にお値段には文句言わないよ、ちゃんと続きが出るならね。
けれど、どうして、他のエンターブレインの書籍化作品に比べて、装丁が残念な感じなんだろう?
表紙絵はもちろんすっげ好みなんだけど、なんかぺらぺら感が……

今まで、書店で、ここの書籍化作品、幾度となく見てきて、手にとってしまったことは何度もある。え、このお値段なのにこんなかっちょいいお金かかってるような装丁なの!?みたいな印象をよく持ってた。
だけど、うーん、これの場合、手にとった印象としては、なんか軽いなーって感じ。紙質とかさ。他の書籍化作品に比べたら少し高いのに。

もちろん、普通に少女小説として出したら、かなり外れたような内容だから、売れない可能性はある。
だから、単価を上げられる、大判で出すのだろう、というのも頷ける。
しかしこれが裏目に出ないといいと思ってしまう。最後まで続きを書籍で読みたいと思う、一読者としては。


まぁ、そんなことを一消費者が気にしたところでしょうがないし、装丁に関しては、過去のEB書籍化作品から、私が勝手に過度な期待をしてただけなんだけど、それもひとつとして、ちゃんと続きが出てくれるのを願うばかりです。




内容としては、ハイファンタジー。
まぁ、異世界を舞台とする、そこで生きる人々があがく話?

主人公補正のない、平凡主人公があがいてあがいて頑張る話ってのが基本的に好きなんだけど、やっぱり粉屋の息子とはいえ、多少の主人公補正はある模様。過去や出生に何かしらありそうです。
ヒロインである竜のレーナが、普通に主人公フィンにまとわりついてるのはなぜだろうとか思っちゃいますし。

なんというか、いまのラノベ界からすると珍しい……というか、ぶっちゃけ売れ線は外しまくってるといっていいほど、地味な話だと思います(褒め言葉)
だからこそ、最近は新規発掘をすることもせず、私のような天邪鬼な読者の手が伸びたのでしょう。



そうとはわからずに、ひとつの国が滅んだと思われるところから話は始まります。
軍団兵など機能せず、人の住む場所において秩序もなくなりつつ、そんなところから出ようとしたところで、フィンはレーナと出会う。
故郷ナナイスの現状を知らせるために特使として赴いたウィネアでは鼻であしらわれ、軍属になるけれども……

と、ストーリーラインを思い返してみると、本当に1巻は地味な話だと思う。



だから大きなドラマ性があるわけでもないし、少女小説(一応ビーズログ文庫の一端として出てるみたいだし)としてみると、ヒロイン、レーナがなぜこんなにフィンにまとわりついてんのか、いつの間にやら穏やかに恋仲に近い感じになってるしとかって思えば、お約束すっとばして、あれれ~?な感じ。別に恋愛物を期待してるわけでもないし、世界観として、FT小説としての魅力が損なわれるわけでもないんだけど、書籍商品としての位置づけが中途半端で、逆に消費者に手に取られにくい結果になってるのでは?と思ってしまう。

ただ、主人公はためらいもなく、ばっさばっさ人を殺すし、それに対する葛藤も恐れもない。妹ネリスも両親も、それに対して何も思うことはない様子。
それが逆に気持ちいい。というか、この世界における価値観みたいなのがあってよい。



Web小説だしこんなもんだよね、みたいなことは言いたくないが、文章は読んでて引っかかる部分があったり、あまり使われないなーって(私の読書量が少ないだけだろうが)言い回しみたいなのも多い気がした。

文頭に「が、」「と、」がやたら多様されててテンポが微妙だなーなんて思うところもあったり、「……」だけの括弧文も結構ありまして、硬派な内容、硬めな文章っぽいと思ったけど、そこまで硬くもないかなーって印象を受けた。横文字で読むと、あまり気にならない点も多いんだけど。縦組みで読むと違和感がある。
以前、烙印の紋章を読んだときに、硬派な感じなのに、ラブコメちっくなヒロインとの係わり合いに違和感覚えるようなのと似た印象を受けた。
読みやすい、うまいなーってところと、ちょっとうーんてところが交互に来る感じ。


どうでもいいけど、「失笑」という言葉が、本来の意味で使われてるのはいいんだけど、妙に違和感を持ってしまうのは、自分も本来とは逆の意味で受け取ってるからや、そういったふうに使われる読み物を読んでるからなんだろうなーなんて思ったりもした。



あと、書籍化決まってからの2chでのレスとか見てる限り、序盤は暗い、それを耐えて抜け出せば面白いってあったけど、もちろん今の状態でも面白いんだけど、言うほど暗いかな?ってのが私個人の正直な印象。

確かに、昨今のラノベからしたら、世界はきらきらしてないし、食べ物も満足にない。お父ちゃん、指一本なくなるし、レギュラーキャラかしらと思った人はあっさり死んじゃうし……で、暗いってよりは、最近のラノベの形態から駕しているだけだと思う。

今のところは、ダークファンタジー?ってのとも違う気がする。
個人的にはダークファンジーとしては、もっとえぐくあって欲しい。
ベルセルクとかは、ダークファンタジーだよねと言われたらしっくりくるんだけど。


作者さんもあとがきでおっしゃってるように、公募規定にとらわれない作品として発表してた作品らしいですし、今の時代、1巻詰め込み、売れなきゃ2巻は出ないよ!みたいなのも多いから、こういったゆっくりとお話を楽しませてくれる作品は最近では本当に珍しいと思う。
エンターブレインさん、マジいい仕事するわ。書籍化なかったら、私、たぶん、読む機会なかったよ。

まだ世界観に関してや、よくわからん闇の獣や神々に関しては言葉が出てきただけなので、これからそれが明らかになっていくのでしょう。それもまた楽しみ。



まぁ、なんだかんだ言いつつ、先が読めない面白さがある作品だと思う。
世界観の独創性があるのがまたよい。

基本的に、世界観萌え>キャラ萌えな作品に外れはないっ!


そして、この先、彼らがどうなるのかってのが全く想像できないので、読み物としては久しぶりに胸熱くなる感じを味わえた。
だからこそ、TL小説ですら何日もかけて読むことのある私が久しぶりに一気読みしたわけですしw
おかげで今日は少し睡眠不足だよ。


2巻「灰と王国2 竜と竜侯」は4月28日発売。

とりあえず、次も読みたいと思う。
けれど、その前に、web版を読破してしまいそうな自分がいますwww





テーマ : 感想    ジャンル : アニメ・コミック

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▼韓国ドラマ「太陽を抱く月」の原作、上下巻。お互いの顔も知らないまま終わった幼い恋。しかしそこには外戚が関わり、父王が隠蔽した恐ろしい事件が隠れていて――。8年の時を経て、再び動き出す【太陽】と【月】の恋物語。
[感想] 太陽を抱く月(上)(下)
太陽を抱く月 (上)太陽を抱く月 (下)

▼上記「太陽を抱く月」同作者による韓国ドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」の原作翻訳本「成均館儒生たちの日々」上下巻。大河的歴史背景と登場人物の心情描写が最高に美味しい! 日本の少女小説で味わえない面白さがここにある! そして、「奎章閣閣臣たちの日々」上下巻へと続く。
[感想] 成均館儒生たちの日々(上)(下)
[感想] 奎章閣閣臣たちの日々(上)
[感想] 奎章閣閣臣たちの日々(下)
成均館儒生たちの日々(上)成均館儒生たちの日々 (下)
奎章閣閣臣たちの日々 (上)奎章閣閣臣たちの日々 (下)




「烙印の紋章」と世界観を同じくする作品。人質として敵国で過ごしたアトールの第二公子レオ・アッティールが、どうして後世悪名高き英雄『首狩り公』と呼ばれるようになったのか――? 重厚な世界観はもちろん折り紙つき。ライトノベルを読む楽しさ数年ぶりに思い出させてくれた胸熱な戦記物。
[感想] レオ・アッティール伝Ⅰ 首なし公の肖像
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▼WW2という世界を背景に生きる少女(少年?)たち。正直欲張りすぎだろ!ってくらい萌え要素の詰め込みを感じるも不思議と破綻せずに読ませる魅力に溢れるている。6年の歳月を経て講談社文庫で新装復刊、2015年4月現在3巻まで刊行中。全4巻完結予定。
[感想] カーリー1~2巻
カーリー <1.黄金の尖塔の国とあひると小公女> (講談社文庫)カーリー <2.二十一発の祝砲とプリンセスの休日> (講談社文庫)



▼TL小説。騙されたと思って読んで見ろ!
◆ただの男女として出会った二人が少しずつお互いを知り、そして――(火崎勇著「恋と泥棒の仕方は覚えます」) ◆わずかな気持ちのすれ違いから誤解が生じてしまう。王道の話運びの中、一人称の心情描写がぐいぐいくる。(火崎勇著「あなたの手を取るその前に」) ◆復讐のため陵辱され愛人関係を強いられたその先、過去の真実とは――?(藤波ちなこ著「初恋の爪痕」) ◆互いに心と身体に傷を持つ姫と騎士、二人の出会い。姫を救うため騎士のとった行動とは?(藤波ちなこ著「最愛の花」

[感想] 恋と泥棒の仕方は覚えます
[感想] あなたの手を取るその前に
[感想] 初恋の爪痕
[感想] 最愛の花
恋と泥棒の仕方は覚えます~姫君と黒の貴公子~ (ジュリエット文庫)あなたの手を取るその前に (ガブリエラ文庫)
初恋の爪痕 (ソーニャ文庫)最愛の花 (ソーニャ文庫)



▼この言葉に出来ない臨場感はなんなんだろう。無駄なページが、コマがひとつも無い。漫画としての見せ方がとにかく半端ない。2015年4月現在、13巻まで刊行中。→ 1巻感想
ましろのおと(1) (講談社コミックス月刊マガジン)ましろのおと(13) (講談社コミックス月刊マガジン)



▼竜×人間のもどかしい恋物語。独自の世界観と取捨選択され凝縮された内容が魅力的。恋愛だけでは語れない少女小説。2015年4月現在、6巻まで刊行中。
[感想] 白竜の花嫁 1~3
[感想] 白竜の花嫁 4 朽ちゆく竜と幸いなるもの
[感想] 白竜の花嫁 5 愛の終わりと恋の目覚め
[感想] 白竜の花嫁 6 追想の呼び声と海の覇者
白竜の花嫁 紅の忌み姫と天の覇者 (一迅社文庫アイリス)白竜の花嫁6(仮) (一迅社文庫アイリス)



▼主人公は、社会人女装お母さん(♂)! 定期的に読みたくなっては、腹がよじれるほど笑わせてくれる上に、中にはほろりと来るエピソードも有。女装お母さん真琴と子供の崇、そして真琴の恋人、菜摘が織り成すコメディ作品。全10巻。→ 最終巻感想
ニコイチ(1) (ヤングガンガンコミックス)ニコイチ(10)(完) (ヤングガンガンコミックス)

◆同作者による、義姉弟モノの恋愛作品、ライアー×ライアー。2015年4月現在6巻まで刊行中。
ライアー×ライアー(1)ライアー×ライアー(6) (KC デザート)



▼罪について描かれた三作が収録された作品集。個人的には冬霞が一番好き。少女漫画的には半夏生。→ 感想




▼「花」に愛しい人を奪われ、癒えない傷を胸に、主人公は「花」と戦うことを決意する。主人公とヒロインの距離感が絶妙。世界観もファンタジックで幻想的。続きが読みたくて堪らない作品の一つ。
[感想] 花狩のロゼ 歌姫は薔薇を殺す
花狩のロゼ 歌姫は薔薇を殺す (B's-LOG文庫)



▼ごく普通の中学生として過ごしていた主人公の日常が変わっていく。限られた世界の中で、日常を隣り合わせに死闘が繰り広げられる。先の見えない不安の中に面白さが混在し、今後の展開が全く読めない。2014年1月現在、一学期編完結、4巻まで刊行中。2013年12月よりstudio ET CETERAで5巻分を無料公開中。
[感想] ほたるの群れ1~2巻
[感想] ほたるの群れ3巻
[感想] ほたるの群れ4巻
ほたるの群れ〈1〉第一話・集(すだく) (幻冬舎文庫)ほたるの群れ2 第二話 糾 (幻冬舎文庫)ほたるの群れ 第三話 阿(おもねる) (幻冬舎文庫)ほたるの群れ 第四話 瞬(まじろぐ) (幻冬舎文庫)




▼青春恋愛小説。主人公の達観したような淡々とした視点の中、様々な感情が混ざり、ある種の熱さを伴ってヒロインに接している描写がたまらない。全3巻。
[感想] 東雲侑子は短編小説をあいしている
[感想] 東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる
[感想] 東雲侑子は全ての小説をあいしつづける
東雲侑子は短編小説をあいしている (ファミ通文庫)東雲侑子は全ての小説をあいしつづける (ファミ通文庫)



▼最近のライトノベル界では中々珍しいガチ戦記物。しかし、ライトノベルとしてニヤっと出来るキャラ具合もちゃんと盛り込まれてる感じが堪らない。全12巻。
[感想] 烙印の紋章 1~9巻
[感想] 烙印の紋章 12巻
烙印の紋章―たそがれの星に竜は吠える (電撃文庫)烙印の紋章XII あかつきの空を竜は翔ける(下) (電撃文庫)



▼とにかく大好きな少女漫画「こどものおもちゃ」の紗南ちゃんと羽山のその後を読むことが出来るHoneyBitter番外編。これの前編が出たときは、雑誌で何度も何度も読んでは、次号が出るまでの間、こどちゃも何度も読み直しました。もう、最高です!→感想
Deep Clear 「Honey Bitter」×「こどものおもちゃ」特別番外編 (愛蔵版コミックス)


▼某社倫理規定に抵触し出版停止となった、唐辺葉介氏のあの問題作が、ついに始動。→ 感想
暗い部屋



▼軍人幼馴染目的だったが、成金と庭師にやられた。えろもシナリオも満足保証!! 特に成金BAD「後悔」は涙腺刺激された。→ 感想




「蝶の毒 華の鎖」のFD「蝶の毒 華の鎖 ~幻想夜話~」。ハッピーエンド後のアフターストーリーのみならず、本編バッドエンド周りも補完されてるとのこと……三郎EDないかなぁ……正直、誰得だが、BADだとあってもいいと思ってしまう。




▼「黒と金の開かない鍵。」(→感想1感想2)を処女作にもつlittle cheeseの新作「トリック オア アリス」
黒と金の開かない鍵。トリック・オア・アリス



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波

Author:波
脳内はいつもピンク色。
妄想とかレビューもどきの感想とか、勝手気ままに綴ってます。ネタバレ含みまくりです。胸熱な勢いで更新したくなる作品に出会ってない気がする今日この頃。
ブログを更新するほどの熱い想いを持てなかった読了本の感想は、読書メーターにて。
拍手レスページ(2011.08~)

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